前回の記事では、ISECAの使い勝手の悪さと、現場での「決済の介護」状態についてお伝えしました。 しかし、問題は「使いにくい」ことだけではありません。実は今、日本中でISECAと同じような「ポイント還元」を武器にした地域通貨が、次々と「廃止」や「休止」に追い込まれている現実をご存知でしょうか。
「30%還元」という甘い言葉に誘われて私たちが使っているそのポイントの裏側で、今まさに進行している「税金の無駄遣い」の構造について、今回は少し耳の痛い話をさせていただきます。
【1】還元祭りが終われば、誰もいなくなる
千葉県や兵庫県など、多くの自治体で共通して起きた悲劇があります。 それは、「還元キャンペーンが終わった瞬間に、利用者が9割消える」という現象です。
冷静に考えてみれば当たり前のことです。 使い勝手が悪く、特定の店でしか使えない不便な通貨を、特典もないのに使い続ける人はいません。 結果として残るのは、誰も使わないシステムを維持するために、毎年数千万単位で支払われ続ける「システム維持費」という名の血税です。これは「地域経済の循環」ではなく、単なる「IT業者への利益供与」になってはいないでしょうか。
【2】それは「循環」か、それとも「現金化」か
伊勢崎市がISECAに投じている予算は、元を辿れば市民の貴重な税金です。 その税金を「30%還元」としてバラまく。一見、市民がトクをしているように見えますが、その実態は「税金を使って、特定の店でしか使えないクーポンを無理やり発行している」に過ぎません。
本当に地域を活性化させたいのであれば、一過性のバラマキではなく、ISECAがなければ困るような「生活インフラ」にする必要があります。しかし、前回の記事で書いたような「店員にスマホを預けて操作してもらう決済」が、果たして未来のインフラになれるのでしょうか。
【3】「業者に食い物にされる自治体」のリストに入るな
多くの自治体が失敗する最大の理由は、システムを開発・運用する業者に「丸投げ」し、不透明な高額維持費を払い続けてしまうことにあります。 「デジタル化」という言葉に踊らされ、現場の使い勝手も、将来の自立性も考えずに導入したツケは、すべて市民に回ってきます。
伊勢崎市は今、その「失敗自治体リスト」に片足を突っ込んでいる状態と言わざるを得ません。
ISECAを「期間限定のバラマキ装置」で終わらせてはいけません。 もしこのまま、誰も使わない使いにくいシステムに税金を投入し続けるのであれば、いっそのこと「廃止」という選択肢を含めた議論を今すぐ始めるべきです。
最終回となる次回の記事では、どうすればこの泥沼から抜け出せるのか。行政が「財布」を作るのをやめ、「ISECAを民間に開放せよ」という具体的な提言を行います。

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