これまで2回にわたり、ISECAの使い勝手の悪さや、ポイント還元の裏に隠れた税金流出のリスクについてお伝えしてきました。 しかし、私はただ批判をしたいわけではありません。この伊勢崎市が、無駄なシステム投資に足を引っ張られることなく、真に便利なデジタル都市に進化してほしい。その一心で筆を執っています。
今回は連載の締めくくりとして、ISECAを「負の遺産」にしないための具体的な解決策を提言します。
【1】行政が「運営」を抱え込む時代の終わり
そもそも、市役所という組織は「新しいサービスを競争の中で育てる」プロではありません。 法律や規則に基づいて、ミスなく公平に管理することが本来の役割です。その組織が、目まぐるしく進化する決済システムを自前で運営しようとすること自体に、無理があります。
千葉県木更津市の「アクアコイン」が、地元金融機関主導で電気代の支払いまで可能にしたように、デジタル通貨の運営は「民間のスピード感」に任せるべきです。行政がやるべきは「財布の中身(予算)」を出すことではなく、誰もが参加できる「土俵(プラットフォーム)」を整えることではないでしょうか。
【2】「伊勢崎専用」を捨て、既存インフラと手を組め
今のISECAが不便な最大の理由は、伊勢崎市という狭い枠組みだけで完結させようとしている「ガラパゴス化」にあります。 独自のアプリを開発し、高額な維持費を払い続けるのではなく、すでに市民の多くが使っている既存の決済インフラ(PayPayや楽天ペイ、あるいは銀行系アプリなど)と大胆に連携する道はないのでしょうか。
「伊勢崎市役所が作ったアプリ」を強いるのではなく、市民が日常的に使っているツールの中でISECAポイントが使えるようになる。それこそが、本当の意味での「市民に寄り添ったデジタル化」です。
【3】市長に届けたい、たった一つの言葉
デジタル化とは、IT業者に高い契約料を払うことでも、市民に不便な操作を強いることでもありません。「市民の時間を奪わないこと」です。
カインズのレジで店員さんにスマホを預けなければならない現状は、明らかに市民の時間を奪っています。その数秒、数分の積み重ねが、街全体の活力を削いでいることに気づくべきです。 管理のためのデジタルから、解放のためのデジタルへ。今こそISECAを民間に開放し、抜本的な改革を行うべき時です。
ISECAが「税金を食いつぶすアプリ」として歴史に刻まれるのか、それとも「行政改革のきっかけ」として生まれ変わるのか。その分岐点は、今この瞬間にあります。

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